水曜日にスナップ社が2025会計年度第3四半期の財務報告を発表した後、株価は一時25%上昇しました。売上高が市場予想を上回り、収益性が改善し、5億ドル規模の株式買戻し計画を発表したことで、このソーシャルメディア大手は長期的な低迷から回復する兆しが見られます。
財務報告の注目ポイント:売上高と利益がすべて予想を上回る
財務報告によると、スナップ社の第3四半期売上高は15億1,000万ドルとなり、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)が予想していた14億9,000万ドルを上回りました。世界中の日次アクティブユーザー(DAU)は4億7,700万人に達し、StreetAccountが予想していた4億7,600万人をわずかに上回りました。利用者1人あたり平均収入(ARPU)は3.16ドルで、市場予想の3.13ドルを上回りました。
スナップ社の第3四半期純損失は1億4,000万ドルに縮小し、前年同期比で32%減少しました。調整後EBITDA(税・利子・減価償却・消耗費を除いた利益)は1億8,200万ドルとなり、アナリスト予想の1億2,500万ドルを大幅に上回りました。スナップ社は第4四半期の売上高が16億8,000万ドルから17億1,000万ドルの間になると予測しており、中央値はウォールストリート予想の16億9,000万ドルをやや上回ります。
一方で、スナップ社は第4四半期の調整後EBITDAが2億8,000万ドルから3億1,000万ドルの間になると予測しており、市場予想の2億5,540万ドルを上回っています。

Perplexity AIとの戦略的提携
財務面での好調な成績に加え、スナップ社はAIスタートアップ企業であるPerplexity AIと提携することを発表しました。その目的は、同社の対話型検索機能をSnapchatに直接統合することです。公告によると、Perplexityは1年以内に現金と株式を組み合わせてスナップ社に4億ドルを支払う予定で、この機能は2026年初頭
スナップ社は、この提携がSnapchatの検索およびコンテンツ発見体験を強化し、ユーザーが自然言語を使用してAIとインタラクティブに情報を探索できるようにすることを目的としていると述べています。専門家はこの取り組みがスナップ社がAI検索とコンテンツエコシステム分野での展開をさらに拡大することになると考えています。
外部政策の圧力とユーザー増加の課題
第3四半期の業績が好調だったものの、スナップ社は投資家向けのメッセージで、グローバルな規制環境の変化がユーザー増加に圧力をかける可能性があると警告しています。
特に、オーストラリアのソーシャルメディア最低年齢法が来月から施行されることが挙げられ、16歳未満の認証済みユーザー以外は登録を禁止するようプラットフォームに義務付けられており、違反すると罰則があります。スナップ社は、これが一部地域における日次アクティブユーザー数の減少につながる可能性があると予測しています。
また、AppleとGoogleが導入予定のプラットフォームレベルの年齢確認機能も、スナップ社のユーザー指標に悪影響を及ぼす可能性があります。スナップ社は、今後これらの新ツールを使ってより正確に13歳未満のアカウントを識別し、削除する予定で、規制要件を遵守する方針です。
米国のユタ州とカリフォルニア州でも類似の児童オンライン安全法案が通過しており、2026年に全面的に施行されます。これらの規制が順次実施されることにより、ソーシャルメディアプラットフォームのユーザー増加戦略には新たな調整が必要になります。
業界比較:AIと広告事業が主旋律
スナップ社の業績改善とAI戦略的配置により、激しい競争が続くソーシャルメディアと広告市場において生き残りの機会を得ています。一方で、Pinterestは業績予想が弱く株価が下落し、Meta、Alphabet、Amazonなどの巨頭は広告とAIインフラへの投資によって成長を続けている状況です。
具体的には、Metaの第3四半期売上高は前年同期比26%増の5124億ドル、Amazonの広告収入は24%増の177億ドル、Alphabetの広告総収入は13%増の7418億ドルとなっています。一方で、Redditの第3四半期売上高は68%増加し、世界中の日次アクティブユーザーは1億1,600万人に達しました。
全体的に見て、AI技術がソーシャルメディアエコシステムに加速的に組み込まれる中、スナップ社とPerplexity AIの提携は、ソーシャルプラットフォームが「AI駆動のコンテンツと検索体験」へと転換していることを示しています。
