先日、アマゾンは1億1000万ドルを人工知能(AI)研究に投資する大規模な計画を発表しました。これは、NVIDIAへの依存度を減らし、自社開発チップを推進するためのものです。「Build on Trainium」と名付けられたこのプロジェクトでは、大学における生成AI研究を支援します。

このプロジェクトでは、研究者に対しTrainiumチップの使用機会を提供し、新しいAIアーキテクチャ、機械学習ライブラリ、大規模分散型AWS Trainium UltraClustersのパフォーマンス向上などを開発してもらいます。

チップ AIイラスト (1)

出典注記:画像はAI生成、画像ライセンス提供元Midjourney

AWS Trainiumは、深層学習のトレーニングと推論タスク用に設計されたカスタムメイドの機械学習チップです。アマゾンによると、このプロジェクトはアルゴリズムの革新からAIアクセラレータのパフォーマンス向上まで、幅広い研究分野を網羅しており、大規模分散システムの研究も含まれています。「Build on Trainium」計画の一環として、アマゾンは最大4万個のTrainiumチップを搭載した研究用UltraClusterを構築しました。これらのチップは、AI特有のワークロードと計算構造に合わせて最適化されています。

アマゾンはさらに、プロジェクトで得られたAIの進歩はすべてオープンソースとして公開され、研究者や開発者がイノベーションをさらに推進できると述べています。また、アマゾンは8月にはClaude開発者でありOpenAIの競合であるAnthropicに40億ドルの投資を発表しました。

「Build on Trainium」プロジェクトでは、新しい研究と学生教育への資金提供も行われます。アマゾンは複数回の研究助成金の選考を行う計画で、選定された提案にはAWSトレーニングクレジットが提供され、大規模なTrainium UltraClustersへのアクセスも許可されます。カーネギーメロン大学のCatalyst研究グループもこのプロジェクトに参加しています。

同大学のコンピューターサイエンス教授であるトッド・C・モウリ(Todd C. Mowry)氏は、「AWSのBuild on Trainium計画により、私たちの教員と学生は、AWS Trainiumのような最新のアクセラレータに大規模にアクセスできるようになり、オープンなプログラミングモデルが提供されます。これにより、テンソルプログラムのコンパイル、機械学習の並列化、言語モデルのサービスとチューニングにおける研究を大幅に拡大できます。」と述べています。

要点:  

📈 アマゾンが1億1000万ドルを投じ、AI研究を推進し、NVIDIAへの依存度を削減。  

💻 「Build on Trainium」プロジェクトが大学研究を支援し、Trainiumチップの使用機会を提供。  

🌍 研究成果はオープンソース化され、AI技術の継続的な発展と革新を促進。