12月9日、OpenAIはこれまでで最大規模の「AI生産性」社内調査を公開した。9000人以上の従業員を対象に、データサイエンス、エンジニアリング、マーケティング、会計などの主要な職種をカバーした調査結果では、AIツールが従業員の毎日の作業時間を40〜60分節約していることが明らかになった。75%の参加者からは「スピードや品質の向上」を感じていると明確に述べている。エンジニアリング・IT部門では、コードに関するメッセージが半年間で36%増加し、ChatGPTワークキットの企業向け有料ユーザー数は700万を超えている。

時間節約の硬的指標: 日均40〜60分  

- データサイエンスチームが最も効率化されている: 平均58分/日、特徴抽出やコードデバッグに費やされる  

- マーケティング担当者: 文書作成と多言語翻訳で作業時間が約50%短縮  

- 会計部門: レポートの照合やVBAの生成が「時間単位」から「分単位」へと短縮された

効率のソフト指標: 4分の3の従業員が「速度アップ」を実感  

- 高頻度で深く利用するユーザー(1日20回以上使用+複数ツールの組み合わせ)は、軽い利用者より27%高い効率得点を示している  

- より低コードの職種が逆転: コードを作成しない従業員がAIによってスクリプト、SQL、マクロを生成し、半年間でコードメッセージ数が36%増加している

外部からの疑問 vs. 内部データ  

8月にMITが発表した研究では、「企業におけるAIの投資収益率(ROI)はほぼゼロ」と指摘した。ハーバード大学とスタンフォード大学も「ワークスロップ(質の低い表面的なコンテンツ)」の拡大を警告した。OpenAIの最高運営責任者ブラッド・ライトカープは、「外部の結論と実際の導入状況には不一致がある」と述べた。

- 企業の導入スピードは消費者よりも速い: 金融、医療、製造業においてPOC→量産までの期間が90日に短縮されている  

- 100万社がChatGPTを有料で利用しており、席数は700万で前年比120%増

見過ごされている「能力の拡散」  

首席経済学者ロニー・チャタジーは、「75%の従業員が『以前できなかったことができるようになった』と語っている。これは単純なROIの数字では捉えられない次元だ」と強調した。典型的な例として:

- 市場担当者がPythonでA/Bテストを行い、データチームに待つことなく実行できるようになった  

- 法務アシスタントが30分で200通のNDA原稿を生成し、正確率は94%

次のステップ: 「体感」を「硬的指標」に  

OpenAIは2025年第1四半期に「生産性ダッシュボード」をリリースする予定である。このダッシュボードでは、節約時間、コード行数、タスク完了率などをリアルタイムで統計することができ、企業は部署や業界の基準と比較して予算やパフォーマンス評価に活用できる。

同時に、同社は学術機関と協力し、「二重盲検+同僚レビュー」方式でAIの長期的な成果の質を評価する取り組みを行っており、自己主張による議論を避けることを目的としている。

業界観測

「1日60分の節約」が「ワークスロップ(質の低い表面的なコンテンツ)」の疑問と遭遇したとき、AI企業が採った解決策は「体感」を「ダッシュボード」に可視化することであり、第三者の学術的審査にも対応している。OpenAIが700万の有料ユーザー数を維持し、さらに「能力の拡散」効果を広げることができれば、企業ソフトウェア市場に新たなROIの計算方法を提供することが可能になるだろう。AIbaseは引き続き、ダッシュボードのリリースと学術的評価の進展を追跡していく。