現地時間の12月2日、NVIDIAの最高財務責任者であるコレット・クレス氏は、UBSグローバルテクノロジーとAI会議で「AIバブル」に関する懸念に対して強力な反論を展開し、世界がAIインフラストラクチャの「初期段階」にいることを強調しました。また、同社のリード優位性は安定していると述べました。

新チップは置き換えではなく追加: 算力が継続的に増加

市場が「AIバブル」に懸念を抱いていることに対して、クレス氏は重要なデータを提示しました。現在、NVIDIAが提供している新しいAIチップの大半は、既存の設置容量を置き換えるために使われているのではなく、新たなデータセンターインフラストラクチャを追加するために使われています。これは、世界中のAI算力が継続的に増加していることを意味しており、単なる機器の更新ではなく、新たなインフラの構築が進んでいることを示しています。

クレス氏は以前の予測を再確認しました。NVIDIAは2030年末までに、世界全体のAI投資額が3兆〜4兆ドルになると予測しており、そのうちの約半分は従来のCPUから加速コンピューティングへの移行に関係するとされています。彼女は、世界経済がAIに必要なデータセンターインフラストラクチャへの転換の「初期段階」にあり、その成長が続くと考えています。

NVIDIA

リード優位性は「完全にない」

NVIDIAのリード優位性が縮小しているかどうかについて尋ねられると、クレス氏は断固とした答えを返しました。「完全にない」と語りました。

彼女はNVIDIAのGPU設計の独自性を強調しました。「特に強調したいのは、私たちがGPUの各セクションを高度に連携した共同設計で構築していることです……これは、市場にあるあらゆる機能固定型のASIC(専用集積回路)とは関係なく、全く異なるものです。現在、すべての人が私たちのプラットフォームを使用しています。すべてのモデルが私たちのプラットフォーム上で動作し、クラウドでもローカルでもデプロイされ、すべてのワークロードもそうです。

この発言は、NVIDIAが持つ技術的な護城河に対する自信を示しています。機能固定型の専用チップと比較して、NVIDIAの共同設計アーキテクチャとエコシステムの優位性は、模倣することが難しい競争優位性となっています。