ソーシャルメディアの巨頭であるSnapはAIの商業化に加速をかけている。11月6日、同社はAI検索の新興企業Perplexityと戦略的提携を発表した。PerplexityはSnapに対して4億ドル相当の現金と株式を支払い、自社のAI検索エンジンをSnapchatアプリに深く統合することになる。その代わりとして、PerplexityのモデルはSnapchatの9億4,000万月間アクティブユーザーに対して質問応答サービスを提供し、「My AI」チャットボットの核心的な検索エンジンとなる。
協議内容によると、この機能は2026年初頭に正式リリースされる予定で、ユーザーがSnapchatで「My AI」に質問すると、システムは従来のキーワード検索や閉鎖的な知識ベースではなく、PerplexityのAIエンジンを使って答えを生成する。この取り組みにより、回答の正確性と迅速性が大幅に向上し、Snapchatが「ソーシャルエンタメツール」から「AI情報入口」としての重要な転換を果たすことを示している。

図の出典:画像はAIによって生成されています。画像のライセンス供給者はMidjourneyです。
Snapは、関連収益は2026年から財務諸表に計上され、会社にとって新たなB2B収益モデルを開拓することになると述べた。この提携は同時にSnapの第3四半期決算報告書にも記載されている。同社のQ3売上高は15億1,000万ドルで、前年同期比で10%増加。純損失は1億400万ドル(昨年同期は1億5,300万ドル)に縮小し、運営効率が継続的に改善していることが示されている。Snapchat+の有料サブスクリプションユーザー数は1,700万人を突破し、高価値ユーザーの運用において重要な担い手となっている。
Perplexityにとっては、今回の提携は「ユーザー飛躍」の重要な節目となる。AIスタートアップとして「答えのエンジン」として知られる同社は、これまで主にウェブサイトや独立アプリを通じてユーザーを獲得していた。Snapchatという世界中の若者にとって最も活発なソーシャルプラットフォームに統合されることで、Perplexityは一気に何億もの潜在ユーザーにアクセスできるようになり、技術の普及とブランド浸透を大きく加速させることになる。
AIbaseは、この取引は技術の統合だけでなく、流量とスマートさの双方の支援であると見ている。Snapは安定したAI能力と新たな収益源を得る一方、Perplexityはソーシャルシーンを通じて規模を実現する。AI検索が「Googleの代替」から「スーパーアプリへの埋め込み」へと移行する傾向の中で、SnapとPerplexityの提携は、プラットフォーム型AI配布モデルの新しいモデルとなる可能性がある。
