技術が急速に発展する現代において、人工知能(AI)の応用は私たちの生活を変えており、しかし予期せぬ結果をもたらす可能性もある。最近、米国ノースカロライナ州で衝撃的な事件が発生した。校医のチェリル・ハリス・ゲーツ(Cheryl Harris Gates)氏は、ChatGPTなどのAIツールを利用して毒薬の研究を行い、夫に毒を盛って全身麻痺に陥れた。

43歳のチェリル・ハリス・ゲーツ氏は、「致命的かつ障害を引き起こす薬剤の組み合わせ」をAIで検索したとして起訴されている。夫と別居中に、毒薬を彼のエネルギー飲料に混入していた。警察の調査では、今年7月から9月にかけて、チェリルはChatGPTを使って劇毒物質に関する情報を頻繁に検索しており、アセトニトリルやラクタム毒素の相互作用について調べていた。AIは選択可能な毒物リストを提供し、注射器による注入や飲料への混入など、毒を投与する方法を彼女に設計させた。

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警察の家宅捜索で、AIの検索記録と一致する注射器、カプセル充填機具、医療用ドリップ管などが見つかった。被害者は7月12日と8月18日にこの毒入り飲料を飲み、その後立ち上がれず、四肢のしびれなどの麻痺症状を呈した。検査結果では飲料に規制された処方薬成分が含まれていたが、具体的な薬品名は公表されていない。現在、被害者はリハビリ治療を受けているが、一部の神経損傷は永久的なものである可能性がある。

チェリルは10月7日に尾行と財産損害で逮捕され、保釈後は解放されたが、その後すぐに未遂の殺人および食品汚染などの罪で再逮捕された。現在、裁判所は彼女の保釈申請を拒否している。もし有罪判決が下れば、終身刑の厳しい罰を受けることになる。

この事件は、技術の進歩が人々にもたらす利便性だけでなく、悪意のある利用によって他人を傷つける道具となる可能性があることを改めて警告している。人工知能技術が進化し続ける中で、これらのツールを効果的に規制し、適切に使用する方法は、社会が直面すべき重要な課題となるだろう。