イーロン・マスク氏は本日、ソーシャルプラットフォーム X で、Neuralink と AI アシスタント Grok が共同開発中の画期的な技術に関する事例ビデオを転載しました。この技術は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者が「意思だけで音声を出す」ことを可能にします。

ビデオの主人公であるブラッドフォード・スミス氏は、ALSにより行動や話す能力を失っています。しかし、Neuralink によって脳に埋め込まれた脳機械インターフェースチップを通じて、彼は「考えること」でカーソルを操作しテキストを入力できます。その後、マスク氏の傘下にあるAIチャットボットの Grok が文章を自動補完し、音声クローン技術を使って患者自身の声でその文章を「話す」ことができます。

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この技術には、大きく三つの重要なプロセスがあります。「意思のテキスト化」:患者の思考を直接テキストに変換する工程、「Grok アシスタント」:患者の考えを理解し文章を補完する工程、「音声クローン」:AIが患者の本来の声を再現し、自然な発話体験を実現する工程です。

このシステムについて紹介したマリオ・ナウファル氏によると、ブラッドフォード・スミス氏は「再び話せるようになり、話し方だけでなく内容も非常に流暢で、まるで彼自身が話しているかのような感じ」と評価しています。

この取り組みは公式な進展でも確認されています。今年5月、Neuralink の脳機械インターフェース装置 Link は米国FDAから「革新医療機器」の認証を受けました。これは重度の言語障害を持つ患者のコミュニケーション支援に使用されるものです。これにより、マスク氏が推進する「脳-機械-AI」融合のビジョンが段階的に実現されつつあります。

業界専門家は、このような技術はALS患者だけでなく、パーキンソン病や脳性麻痺などの神経疾患を持つ人々にも大きな意味があると指摘しています。将来、脳機械インターフェースと生成型AIの連携により、人類と技術との相互作用の仕方は根本的に変わり、「考えるだけでコミュニケーションを取る」新しい時代へと進むことが期待されます。