先日、Redditはサンフランシスコ高等裁判所に訴訟を提起し、AIスタートアップのAnthropicを告訴しました。Anthropicは、2024年7月以降、Redditの規約に反して10万回以上の違法なアクセスを行ったとされています。この行動には広範な注目が集まり、RedditはAnthropicが表面上は道徳や法を守ると装いながら、実際にはルールを無視しているとして強く非難しています。
訴状では、RedditはAnthropicを「AI業界の白衣の騎士」と称しつつも、「その実態は異なる」と示唆しています。Redditの最高法務責任者であるベン・リー氏は、AnthropicがRedditのコンテンツを利用して数十億ドル規模の利益を得ている可能性があると指摘しました。彼は、現在AI技術が急速に進化する時代において、Redditが提供する人間らしい感情やリアルな対話が非常に貴重であると強調しました。
画像出典:AI生成、画像提供サービス Midjourney
興味深いことに、Redditは昨年2月にGoogleとの間で契約を締結し、後者がRedditのプラットフォームデータを利用したAIトレーニングを行うことを許可しました。この取引の価値は約6000万米ドルと推定されており、Redditは別の企業とも同規模の契約を結んでいます。これにより、RedditのコンテンツがAIトレーニングにおける重要な資源となる一方で、著作権に関する問題や課題が増えています。
実際、これはAnthropicにとって初めての著作権関連の紛争ではありません。昨年8月には、3人の作家がカリフォルニア州の連邦裁判所に訴えを起こし、Anthropicが違法手段で数十万冊の著作権付き書籍を入手し、数十億ドル規模のビジネスモデルを構築したと主張しました。さらに、2023年10月にはユニバーサル・ミュージックがAnthropicを訴え、そのシステムや大規模な方法で著作権保護された楽曲の歌詞を使用したと非難しました。
この出来事は、AI技術と著作権法の緊張関係を反映しており、AI企業がネット上のコンテンツをどのように合法的に活用すべきか考えるきっかけとなっています。AI技術が急速に発展する中で、著作権を保護しながらも革新を促進するバランスを見出すことは、今後の重要な課題です。