法治日報の報道によると、最近、江蘇省蘇州市中級人民法院は、AIによる画像生成に関する著作権紛争について終審判決を下し、原告のデザイナーである豊某某氏がAIソフトウェアで生成した「幻の翼透明アートチェア」シリーズの画像が著作権法上の作品を構成しないと認定し、被告の朱某某氏らに対する侵害行為の訴えを棄却しました。

原告の豊某某氏は、AIによる画像生成ソフトウェアを使って一連のアートチェアの画像を作成し、ソーシャルメディアで量産に向けた協力を求めていました。被告の朱某某氏は、原告に協力を求めたものの拒否されました。その後、朱某某氏はソーシャルメディアで自身が制作したバタフライチェアを発表・宣伝し、豊某某氏はこれが自身のAI生成作品と実質的に類似していると主張し、訴訟を起こし、被告に対し侵害行為の停止と20万元の損害賠償を求めました。

AI、ロボットによる絵画

裁判所は、AI生成画像が作品を構成することを証明するには、使用者側が創作過程の記録を提供し、プロンプトの追加、パラメータの変更などによって初期画像を調整、選択、加筆修正し、画像のレイアウト、比率、視点、構図、色彩、線などの表現要素について個性的な選択と実質的な貢献をしたことを証明する必要があると判断しました。豊某某氏は、そのような創作過程を示す記録を提供できず、行った選択や修正も証拠が不足しており、知的貢献を示すことが困難でした。また、豊某某氏は、訴訟対象の画像と全く同じ生成過程を再現できないことを認めており、裁判所は具体的な個性的な実質的な貢献があったと認定することができませんでした。

このため、裁判所は、豊某某氏の主張する証拠が不十分であり、訴訟対象の画像は作品を構成する要件を満たさず、作品と認定できないと判断し、最終的に訴えを棄却しました。この判決は、国内初のAIによる画像生成物が作品を構成しないとされた確定判決となり、AI生成コンテンツの著作権帰属に関する議論を広く巻き起こしています。