最近、中国中央電視台(CCTV)のニュース報道によると、AIツールが大学生によるレポートや論文作成の「神器」となっているとのことです。しかし、この現象は学術上の不正行為への懸念も引き起こしています。一部の大学の教員や専門家は、少数の学生がAIを利用して研究データを偽造したり、実験画像を編集したりするなど、学術の誠実性を著しく損なう行為が行われていると指摘しています。ある大学の課題提出グループの通知では、教員がAIによって直接生成された作文は一律0点とすることを明確に規定していることが示されています。

ロボット 人工知能 AI (4)

出典注記:画像はAIによって生成され、画像ライセンスサービスプロバイダーMidjourneyによって提供されています。

長江日報の調査によると、約6割の大学生と教員が生成系AIを頻繁に使用しており、そのうち約3割の大学生が主に論文や課題の作成に使用しているとのことです。教育部情報ネットワーク工学研究センターの研究助手である丁峻鵬氏は、最悪の場合、学生がAIで論文を自動生成すること、さらに画像の偽造や編集も増加しており、AI技術によって不正行為のコストが著しく低下していると指摘しています。

この現象を受け、多くの大学がAIツールの利用に関する規範を策定しており、国内の複数の研究チームもAI論文の不正検知研究に積極的に取り組んでいます。専門家は、AIツールが提供する情報には正確性や信頼性に欠ける場合があり、時にはばかげた誤答が返ってくることさえあると警告しています。

この現象は、AI技術が教育分野において両刃の剣であることを示しています。一方でAIツールは学習効率の向上に役立ちますが、他方で学術の誠実性に対する挑戦をもたらしています。大学や教育機関は監督を強化し、学生がAIツールを正しく使用できるよう指導することで、学術の誠実性を維持する必要があります。