Ibiden社は、Nvidia社の最先端半導体の主要なチップパッケージ基板サプライヤーとして、増大する市場需要に対応するため、生産能力の増強を加速することを検討しています。Ibiden社の川島浩二社長は、AI用途基板の販売が好調で、顧客が既存在庫を急速に消費しており、この需要は来年まで続く見込みだと述べています。
現在、Ibiden社は岐阜県に新たなパッケージ基板工場を建設中で、2025年第4四半期に25%の生産能力で稼働開始し、2026年3月には50%に達する予定です。しかし、川島社長は、この生産能力でも市場需要を満たせない可能性があると指摘しています。彼は、残りの50%の生産能力をいつ稼働させるかについて、顧客と協議中であることを明らかにしました。
川島社長は、顧客が将来の供給能力について懸念を表明しており、今後の投資計画と生産能力拡大について問い合わせ始めていると述べています。月曜日に、Ibiden社の株価は東京市場で5.5%上昇し、1ヶ月ぶりの大幅上昇となりました。これは、市場が同社の将来の発展に注目し、期待していることを反映しています。
Ibiden社の顧客には、インテル、AMD、Samsung Electronics、TSMCなど、多くの有名企業が含まれます。これらの企業は、製品開発の初期段階でIbiden社と協力することが多くあります。なぜなら、基板は各チップの特性に合わせてカスタマイズする必要があり、Nvidia社のGPUの高温に耐え、AIチップのパッケージングを完了できることを保証する必要があるからです。
1912年創業のIbiden社は、当初は電力会社でしたが、インテルとの協力を通じて半導体分野の専門知識を培いました。川島社長は1990年代、インテルのサンタクララ本社で毎日待ち、エンジニアや幹部から製品フィードバックを得ることで、両社の協力関係を促進しました。過去には、インテルがIbiden社のチップパッケージ基板売上高の70~80%を占めていましたが、3月期決算では約30%に減少しました。これは、インテルが最近直面している変革の課題が原因で、パット・ゲルシンガーCEOが解任されたことによるものです。
インテルへの依存関係によってIbiden社の株価は約40%下落しましたが、川島社長は10月に業績予想を下方修正し、汎用サーバー部品の需要低迷がAIサーバーの成長に影響を与えていると指摘しました。しかし同時に、他のチップメーカーとの協業拡大が必要であるものの、インテルの回復に依然として自信を持っていると述べています。
要点:
✅ AI需要の急増により、Ibiden社はチップパッケージ基板の生産能力増強を加速する計画です。
✅ 新工場は2025年の稼働開始予定ですが、市場需要を満たせない可能性があります。
✅ Ibiden社は多くの有名テクノロジー企業と協力しており、顧客は将来の供給能力に懸念を示しています。