ブルームバーグの報道によると、人工知能企業のAnthropicは、30億ドルから50億ドル規模の新たな資金調達を積極的に準備しており、この資金が調達されれば、同社の評価額は1700億ドルに急騰する見込みです。これは今年3月の615億ドルの評価額の約3倍に相当します。今回の資金調達のリード投資家はIconiq Capitalで、約10億ドルを出資する予定です。また、AmazonやLightspeed Venture Partners、Menlo Ventures、Alkeon Capital Managementなどの投資家も関与して交渉中です。
Anthropicは2021年にOpenAIの元従業員らによって設立され、「安全で信頼できる大規模言語モデル」の開発に取り組んでいます。今年3月には、Lightspeedがリードする35億ドルの資金調達を完了し、その時点での評価額は615億ドルでした。しかし、新規資金調達が進むにつれて、同社の業績も着実に向上しています。年間定期収入(ARR)は7月に40億ドルから約50億ドルに急増し、年末には90億ドルに達すると予想されています。
現在、大規模モデルの開発競争が激化し、計算能力の需要も継続的に増加していることから、Anthropicにとって資金の必要性はさらに高まっています。会社内では資金源の選定基準について議論が行われており、CEOのDario Amodeiは社内メモの中で、「一部の国家財産基金の背景には懸念があるものの、資本集約型の発展段階において理想論的な選定基準は現実的ではない」と述べました。彼は「『悪い人が私たちの成功から利益を得てはいけない』という考えは正しいが、これはビジネス上の決定の根拠としては難しい」と語っています。
注目すべきは、今後の資金調達の詳細はまだ調整中であり、第二のリード投資家の導入も可能性として排除されていません。一方で、AnthropicはOpenAIやマスク氏が運営するxAIとの競争を加速させています。今年、これらの企業も巨額の資金調達を実施しました。現在、OpenAIの評価額は約3000億ドル、xAIは最大2000億ドルの評価を目指しています。