グーグルCEOのサンダール・ピチャイ氏は、先日スタンフォード大学の卒業式で演説を行い、彼が率いるグーグルのコア戦略である人工知能(AI)について一言も触れなかった。この行動の背景には、世界中の若者がAIによる雇用市場の再構築に反対する声が高まっていることがある。以前、グーグル元CEOのエリック・シュミット氏やBig Machine Records CEOのスコット・ボルチェッタ氏が他の大学でAIについて語った際にも学生たちからブーイングを受けており、ピチャイ氏の今回のスピーチでも数十人の学生が離場して抗議した。

OpenAI CEOのサム・オルトマン氏やAnthropic CEOのダリオ・アモディ氏が「AIが伝統的な入門職を完全に置き換える可能性がある」と警告していること、そして今年、10社以上の大手企業がAIを理由に人員削減を行ったこと、新卒者たちが就職難に直面している現実を踏まえ、ピチャイ氏は1990年代初頭にカリフォルニアへ移った自身の経験を共有し、「枯れた」ように見える状況を「希望に満ちた黄金色」に再解釈することで、若者の不安に間接的に応えた。その上で、卒業生たちに「楽観的を選ぶこと」や、世界を見つめる視点を変えることを呼びかけた。
