スマートフォンのイノベーションが頂点に達した今、AIは新たな突破口となる。最近、中興通訊(ZTE)と字節跳動(ByteDance)が共同で開発した「豆包スマホ」が業界から注目されている。中興内部関係者はAIbaseに語った。「AIスマホは確定的な未来である」という共通認識と、「オープンとは革新である」というコアな理念を基に、字節跳動を選んだ。また、中興は明らかにした、「字節との協力はスタートに過ぎず、すでに多くの大規模モデルメーカーから協力の申し込みを受けている。今後は多様でオープンなAIスマホエコシステムを積極的に構築していく」と述べた。
「AI for All」戦略:単なる一点での協力ではない
中興はその「AI for All」戦略を、閉鎖的なバインディングを拒否し、ハードウェアプラットフォームと大規模モデル能力を分離することを主張している。これにより、将来的な中興のAIスマホはユーザーが異なる大規模モデルを自由に切り替えることができるかもしれない。例えば、今日は豆包で文章を作成し、明日は通義千問でドキュメントを分析し、明後日にはKimiで研究問題を処理するといった具合だ。このような「モデル即サービス」(MaaS)のアーキテクチャは、「一台のスマホに一つのAI」という業界慣例を完全に打ち破る。
なぜ字節を最初に選んだのか? シナリオの協調性が鍵
オープンな姿勢を持つ中興だが、初めに字節と実施した協力を選んだ。分析によると、これは豆包アプリがすでに2億人以上の月間アクティブユーザーを持ち、字節がマルチモーダル理解、ビデオコンテンツ生成、パーソナライズされた推薦などのシナリオにおいて独自の優位性を持っているためであり、これらはスマートフォンの頻繁な使用場面(画像、SNS、オフィスなど)と非常にマッチしている。この豆包スマホは、AIで写真編集やスマート編集、アプリ間のコマンド実行機能を深く統合し、「端末側+クラウド側」の協調的なスムーズな体験を構築する可能性がある。
業界の突破:「パラメータの競争」から「知能体験」へ
現在、スマートフォン業界はイノベーションの壁に直面しており、企業はAIを通じてユーザー体験を再構築する必要がある。中興の行動は、自社製品のスマート化を加速するだけでなく、産業チェーンに信号を送っている。つまり、今後の競争はチップのスコアではなく、AIエコシステムのオープン性とサービス能力にあるという意味だ。もし複数のモデルが互換性を持つことができれば、中興は「AIスマホのAndroid」となり得るだろう。つまり、統一されたインターフェースを提供し、開発者とユーザーが自由にスマートエンジンを選ぶことが可能になる。
AIbaseは、中興のオープンな道が戦略的な前向きさを備えていると考えている。AIがスマートフォンの「新しいオペレーティングシステム」になったとき、エコシステムのエントリーを制御する者が次世代の人機インタラクションを定義する。この変革の中で、中興は「モデルの従属者」ではなく、「知能のブリッジ」として立ち上がる。これは中国のスマートフォンメーカーがグローバルなAI競争で逆転を遂げる鍵となるだろう。
