AIプログラミング部門で再び買収合戦が勃発した。先月、人材採用会社Growth by Designを買収し、7月にはCRMスタートアップのKoalaチームを統合した後、AIコードアシスタントのリーダーであるCursorは再度動き出した――AIコードレビュー会社Graphiteを正式に買収したことを発表した。Axiosによると、この取引価格は今年初めにGraphiteが評価された2億9,000万ドルを「大幅に上回る」ものであり、Cursorがエンド・トゥ・エンドのAI開発フロー構築への強い意欲を示している。
強力な連携:「生成」から「自己検証」へ、開発の最後の1マイルをつなぐ
現在、AIによって生成されたコードには多くの隠れた不具合が存在しており、エンジニアは多くの時間をデバッグに費やす必要がある。CursorはすでにBugbotという自動レビュー機能を提供しているが、Graphiteが持つ重要な差別化要素は、「スタックド・プル・リクエスト(Stacked Pull Requests)」である。この技術により、開発者は相互に関係する複数のコード変更を並列処理でき、前のPRがマージされるのを待たずに次の開発を進めることができるため、協働効率が大きく向上する。
今回の統合により、以下のようになる:
- Cursorがインテリジェントな生成(Write)を担当;
- Graphiteが深いレビューとプロセス最適化(Review & Ship)を担当;
「AIで書く-AIで審査する-AIで進める-AIで統合する」という全工程の自動化開発体験が実現される。
資金と人脈が深く絡み合い、エコシステムの協調性が自然に生まれる
今回の買収は偶然ではない。CursorのCEOマイケル・トロエルとGraphiteの3人の共同創設者メリル・ラットスキー、グレッグ・フォスター、トーマス・ライマーは大学時代に、有名な天使投資家アリ・パルティヴィが始めたエリートプログラムNeo Scholarを通じて知り合った。両社はAccelやAndreessen Horowitzなどのトップクラスの投資家を持つ。GraphiteのシードラウンドはNeoが主導した。このような「同窓生+共通投資家」という絆が、技術とチームの統合をスムーズにしている。
290億ドルの評価額における拡大戦略
2025年11月に評価額が290億ドルに急騰した後、Cursorは驚くほど迅速に開発者エコシステムを統合している:
- 7月にKoalaチームを買収し、AI駆動型のカスタマーリレーションマネジメントを強化;
- 11月にGrowth by Designを統合し、優秀なエンジニアの採用を最適化;
- 今度はGraphiteを吸収し、コード品質と協働プロセスの欠点を補完。
この動きは、AIプログラミングツールの競争が「単一の機能」から「ライフサイクル全体のプラットフォーム」への争いに進化していることを示している。CodeRabbit(評価額5億5,000万ドル)、Greptile(最近2,500万ドルのAラウンドを獲得)など、レビュー分野では優位に立っているが、Cursorほどのエコシステムの統合能力には及ばない。
