フランスのAI音声スタートアップ企業Gradiumは、12月3日に正式に暗中モードを終了し、7000万ドルのシードラウンドファイナンスを完了したと発表しました。これはヨーロッパの音声AI分野におけるシードラウンドの新記録です。本ラウンドはFirstMark CapitalとEurazeoが共同でリードし、フランスの通信大富豪であるXavier Niel、DST Global Partners、および元グーグルCEOのEric Schmidtらが参加しています。

Gradiumはフランスの非営利AI研究室Kyutaiから生まれ、今年9月に設立されました。創業者のNeil Zeghidour氏は、グーグルDeepMindの音声研究者を務めていました。同社は「ミリ秒単位の応答」を特徴とする音声言語モデルを展開しており、最初の対応言語は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語の5か国語です。年内にはイタリア語とオランダ語を追加する予定です。

投資、資金調達、お金

Zeghidour氏は、「従来の音声モデルは音色のクローンに焦点を当てていますが、Gradiumは『超低遅延+高度な感情表現』を核心的な指標としています。目標の遅延時間は200ミリ秒未満であり、リズム、間の取り方、感情の粒度において人間の読み上げに近づくことを目指しています。現在、開発者はAPIを通じてクラウドモデルを呼び出すことができ、分単位で料金が発生します。エッジ版SDKは2026年第一四半期にリリース予定です。

投資家たちはヨーロッパの多言語環境とコンプライアンスの優位性に注目しています。Eurazeoのパートナーは、「AIアシスタント、コールセンター、インタラクティブエンタメなど、『即時の音声フィードバック』が次の世代の人機インターフェースの標準となる」と述べました。OpenAIやElevenLabsなどの強力なライバルに対し、Gradiumは7000万ドルの資金とKyutaiのオープンソースエコシステムを活かし、今年中にチームを80人に拡大し、ベルリンとニューヨークに製品センターを設立し、世界の音声AIインフラストラクチャの席を争う計画です。