マイクロソフトは11月29日に、すべてのWindows 11 Copilotユーザーにサーバーサイドのアップデートを配信しました。OpenAIのGPT-5.1モデルが正式リリースされ、無料アカウントでも「Think Deeper」という従来20ドルの月額料金が必要だった深層推論機能をワンクリックで利用できるようになりました。再インストールやログアウトは必要なく、スイッチをオンにするだけで体験可能です。
モデルのアップグレードに伴い、Copilotには「Labs(実験機能)」エリアが新設されました。最初にリリースされたWinUI 3の「Vision(ビジョン)」コンポーネントはリアルタイムの画像解析をサポートします。今後、3D生成や音声表現、人物シミュレーションなどのモジュールが順次追加されます。現在テスト中の「Actions(アクション)」機能も注目です。「Agent Workspace(エージェントワークスペース)」という隔離型の環境により、Copilotはローカルのサンドボックスのようにユーザーのファイルを直接読み書きしたり、一括リネームしたり、要約を作成したり、Pythonスクリプトを実行したりすることが可能になります。これにより、「クラウドチャット」から「システムレベルのAIアシスタント」へと進化しました。
マイクロソフトは今回のアップデートをグレーディング配布としており、すべてのWin11 23H2/24H2デバイスへの影響は48時間以内に完了する見込みです。ChatGPT Plusに登録したくないユーザーにとっても、無料でGPT-5.1の深い思考能力を獲得できるのは、AIの入口を巡る競争においてマイクロソフトが投じた新たなカードであるとされています。
