マイクロソフトは、Windows 11の最新ベータ版でMCP(モデルコンテキストプロトコル)コネクタをテストしており、ClaudeなどのサードパーティAIがファイルエクスプローラーを通じてユーザーにローカルファイルへのアクセス権を要求できるようにし、承認後はクラウドにアップロードすることなくコンテンツを読み取り、タスクを完了できるようにしています。
操作フローは、「Claudeを開く→「『私のドキュメント』内のデータでプレゼンテーションを作成してください」と入力→システムのポップアップで許可を求める→AIがローカルで解析して結果を生成する」などです。マイクロソフトは、ローカル画像を使って不動産ウェブサイトを一発で生成したり、Claudeにフォルダ全体を要約させてPowerPointを出力するなどのシナリオをデモしており、これを「ビブコード(vibe code)」と呼びました。

技術的には、MCPはJSON-RPC2.0メッセージメカニズムを使用し、ローカルのstdioとリモートのHTTPの両方の送信をサポートしています。AI側では、標準化されたインターフェースを通じて必要なファイルタイプを宣言し、Windowsからファイルハンドルと読み取り専用ストリームが返されます。このプロセスでは、データが常に本機に残ります。
ただし、メディアはリスクに関する警告も提示しました。AIがフォルダレベルの権限を得ると、幻覚によって機密ファイルにアクセスする可能性があるためです。また、マイクロソフトが同時にテストしている「エージェントワークスペース」により、AIがバックグラウンドで常駐できるようになることで、プライバシー上の懸念がさらに拡大される可能性があります。
マイクロソフトは、基本機能(例:Copilotによるドキュメントの要約)が今後の数週間以内に配信される予定であると述べました。一方で、サードパーティAI向けの完全なファイルコネクタについては明確なリリース日程はまだなく、現在もWindows Insiderを通じてフィードバックを収集し続けています。
