「All-in-One」オフィスプラットフォームの分野において、ClickUpはシステム全体のアップグレードを通じて全面的な攻勢を開始しています。最近、この10億ドル以上の評価を達成した生産性のリーダー企業は、ついにClickUp4.0を正式にリリースしました。ユーザーインターフェースを全面的に再構築し、2つのAIエージェントを新たに導入することで、タスク管理、ドキュメント協働、即時コミュニケーション、カレンダー調整、企業検索を深く統合し、「1つのプラットフォームですべてのオフィスソフトを置き換える」という究極の作業オペレーティングシステムを目指しています。

今回のアップグレードの中心となるのは、企業検索スタートアップのQatalogの買収からです。QatalogはSalesforce VenturesやAtomicoなどから2,950万ドル以上を調達していました。Qatalogの技術的蓄積を活用し、ClickUp4.0はツール間の知識をスムーズに連携させ、企業内部の「デジタルアセットの脈絡」をAIが本質的に理解するようになりました。

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2つのAIエージェント、役割を補完して協働

新バージョンでは、補完的な2つのAIアシスタントが登場します。1つ目はすべてのコミュニケーションチャネルに組み込まれたスマートエージェントで、チャット履歴を自動スキャンし、チームメンバーが抱えている疑問を認識し、会社の知識ベース、Google Drive、OneDrive、Figma、Gmailなどの内外部ソースから情報を抽出し、リアルタイムで解決策を提供します。これにより、繰り返しの質問や情報の断絶が大幅に減少します。

もう1つは「Brain」と呼ばれる汎用型のAIアシスタントで、まるでマルチタスクの仮想同僚のように機能します。クリエイティブなアイデアの生成、文書の起草、報告書の分析だけでなく、チームメンバーのスケジュールに基づいて会議を自動的に調整し、タスクにコメントを追加し、新しいタスクを作成したり、インターネット検索で最新情報を取得することも可能です。Brainはサイドバーに常駐しており、ユーザーはどのページでも一クリックで呼び出すことができ、「考えたこと=実行できること」を実現します。

コミュニケーション、カレンダー、タスクの統合

ClickUp4.0はさらに「オフィスの中枢」としての位置づけを強化しています。プラットフォームでは、内部フォーラム、多チャンネルチャット、タスクボードをサイドナビゲーションに統合し、ユーザーは自由にコンテキストを切り替えることができます。アプリケーションの切り替えを避けられます。自社開発のSyncUps音声・ビデオ会議システムは、各チャンネルに「1クリックで会議を開く」ボタンを内蔵し、AIが自動的に録画・字幕化し、要約を作成して全員に配布します。これはZoomとFirefliesの機能に匹敵しますが、ワークフローに深く組み込まれています。

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カレンダーシステムもスマートなアップグレードが行われました。ユーザーが特定のタスクを優先順位が高いものとしてマークすると、システムは関連する会議や期限を自動的に再編成し、重要な項目が埋もれないようにします。管理者はインターネット風のチームダッシュボードを通じて、各チャンネルの動向、作業進捗分析、メンバーの休暇状況をリアルタイムで確認し、効率的なリモート管理を行うことができます。

IPOへの突進、ARRが3億ドルを突破

ClickUpのCEOであるZeb Evansはインタビューで、「8年前に創業した際のビジョンは、すべてのオフィスソフトを置き換えることでした。AI時代において、この戦略はこれまでになく重要なのです。なぜなら、チャットインターフェースだけでは複雑な作業ロジックを扱うことはできないからです。AIの『骨格』となる構造化データプラットフォームが必要なのです。」と語っています。

このような戦略は顕著な成果をもたらしています。会社の年間継続収益(ARR)はすでに3億ドルを超え、今後2年以内にIPOを計画しています。現在までに、ClickUpは5億3,700万ドル以上の資金調達を成功させ、a16z、Tiger Global、Lightspeedなどのトップ機関が投資家となっています。