2025年9月13日、インクルージョン・バイタオミーティングのAIオープンソース洞察フォーラムで、アリババグループはインクルージョンAIと共同で新規の『グローバル大規模モデルオープンソース開発エコシステム全体像とトレンドレポート』を発表しました。
これは5月に初版が公開されてからの2.0版であり、人工知能のオープンソース分野の現状と将来のトレンドを全面的に明らかにするとともに、過去100日間以内のオープンソースコミュニティの新たな動向も含まれており、業界にとって重要な参考資料となっています。

(アリババオープンソース技術委員会副議長王旭がグローバル大規模モデルオープンソース開発エコシステム全体像とトレンド報告について説明)
アリババオープンソース技術委員会副議長王旭は、「私たちはデータ駆動型の方法で、グローバルなAIオープンソースエコシステムの実際の状況を客観的に示しています。これにより業界の参考になりますし、中国がAIオープンソース分野において重要な地位を占めていることも示しています。」と述べました。
データが大規模モデルオープンソース開発エコシステムの新しい特徴を明らかにする
このレポートは元々アリババグループ内の技術トレンドの洞察から生まれたもので、すべてのデータはオープンソースコミュニティから取得されています。GitHub全体のプロジェクトを分析し、OpenRankアルゴリズムを使用してプロジェクトを絞り込み、ランキングしています。今回の発表された大規模モデルオープンソース開発エコシステム全体像には、22の技術分野にわたる114の注目されるオープンソースプロジェクトが収録されており、AIエージェントとAIインフラの2つの技術方向に分けられています。

(大規模モデルオープンソース全体像2.0)
また、全体像とともに公開されたのは詳細な洞察レポート『コミュニティデータから再考する大規模モデルオープンソース開発エコシステム全体像とトレンド』です。このレポートによると、大規模モデルエコシステム下のオープンソースプロジェクトの約62%は、2022年10月の「GPTタイム」以降に登場しており、平均的な「年齢」はわずか30ヶ月です。これはAIオープンソースエコシステムの高速な進化を反映しています。
「オープン共有」または「非オープン主導」の路線の分岐
レポートによると、全体像に登録されている約36万人のグローバルな開発者の中で、アメリカ人の開発者は24%、中国の開発者は18%を占めており、次にインド(8%)、ドイツ(6%)、英国(5%)が続きます。米中両国は合計で40%以上の核心的な力を提供しています。特に注目すべきは、大規模モデルのオープンソース戦略において、中国企業はオープンモデルの重みを公開する傾向がある一方、米国のトップ企業は多くが非オープンモデルを採用している点です。
王旭は、「これらのプロジェクトはデジタルブロックとして考えることができます。開発者は自由に組み合わせて新しいアプリケーションを作成できます。中国がブロックの共有に積極的であることは、グローバルなエコシステムに活力を与えています。」と述べました。
AIコーディングツールの継続的な増加:開発者の「効率革命」が加速
レポートで最も注目を集めたトレンドは、AIプログラミングツールの爆発的な増加です。このようなツールはコードの自動生成や修正が可能で、プログラマーの効率を大幅に向上させ、現在のオープンソースコミュニティで最も注目されている分野です。その形態としては、「コマンドラインツール」(Googleが提供するGemini CLIなど)と「統合開発環境のプラグイン」(Clineなど)があります。前者は軽量で柔軟性が高く人気があり、後者は開発プロセスの統合に重点を置いています。
データによると、2025年に新たに登場したコーディングツールは平均して3万以上の開発者からスターを獲得しています。その中でもGemini CLIはオープンソースとして3か月以内にスター数が6万を超えたため、成長が最も速いプロジェクトの一つとなっています。王旭チームは興味深い現象を観察しました。「モデルを開発する企業はコマンドラインツールから参入する傾向があり、ユーザー体験を重視するチームは統合開発環境から参入する傾向があります。この2つのルートはプログラミング効率の『革命』を推進しています。」
このようなツールの熱潮の背景には、グローバルな開発者にとって「AIアシスタント」への強いニーズがあります。レポートでは、大規模モデルの能力が向上することで、今後プログラマが繰り返し作業をAIツールに任せ、創造的な設計や複雑な問題解決に集中することが予測され、このトレンドはソフトウェア開発業界の役割分担を変える可能性があると指摘しています。
2025年の大規模モデル発展タイムライン全体像を発表
アリババオープンソースは、フォーラムで2025年の大規模モデル発展タイムライン全体像を同時に発表しました。この全体像は、2025年1月から現在までの国内外の主要メーカーのモデル発売時期を整理したもので、パラメータを公開したモデルと非公開モデルを含んでいます。全体像にはモデルのパラメータやモードなどの重要な情報が記載されており、開発者やコミュニティが各社の激しい競争を理解するための参考になります。

(大規模モデル発展タイムライン全体像)
