英国の半導体会社アームは水曜日に、自社で設計したチップの発売を検討していると発表しました。この動きは、主要顧客であるNVIDIAとの関係に大きな影響を与える可能性があります。アームCEOのRene Haas氏は、研究開発費用を加速させ、市場に「包括的なソリューション」を提供する予定だと語っています。これは、アームが完全なチップ製品を設計することを目指していることを意味します。
図の出典:画像はAIで生成され、画像ライセンスサービスはMidjourneyです
アームの設計はスマートフォンチップエコシステムで主導的地位を占めており、アップルやサムソンなどの企業がアームベースのチップを使用しています。また、NVIDIAもアームの設計をそのAIデータセンター製品に組み込んでいます。現在、アームは巨大な半導体業界でより大きなシェアを得ようとし、設計「スタック」の上流へ進出し、自社製品を直接販売することを検討しています。
『ファイナンシャル・タイムズ』の2月の報道によると、アームはこの戦略転換を計画しています。AIデータセンター用チップ市場はすでに激しい競争となっており、NVIDIAがこの分野で支配的立場を保っているものの、アマゾンやマイクロソフトなどの企業がカスタムチップを開発しており、それらの企業からの挑戦を受けているのです。また、AMDなどの競合もさらに市場シェアを獲得しようと努力しています。
ソフトバンクCEOの孫正義はアームを戦略の中心に置き、AIブームの中で利益を得ようとしています。ソフトバンクはOpenAI、オラクル、アラブ首長国連邦のAI基金MGXと提携し、5,000億ドル規模のStargateプロジェクトを開始しました。同プロジェクトでは、今後4年間でアメリカでデータセンターを建設する予定です。
水曜日のアナリスト電話会議でHaas氏は、「多くの開発中のチップセットはアームの知的財産権に基づいています…そのため、現在のプラットフォームを超える可能性を評価しています」と述べました。ただし、アームの株価は水曜日の終値後に約8%下落しました。その理由は、第3四半期の収入見通しが市場の期待を下回ったためです。中位予想は10.6億ドルでしたが、市場予想の10.7億ドルを下回りました。
6月までの四半期におけるアームの収入は10.5億ドルで、前年同期比で12%増加しましたが、アナリスト予想の10.6億ドルをわずかに下回りました。そのうち、特許収入—顧客がチップを販売する際にアームに支払う費用—は5.85億ドルで、前年比25%増加しました。一方、ライセンス収入は4.68億ドルで、前年比1%減少しました。
ポイント:
- 📉 アームは自社設計のチップの発売を検討しており、NVIDIAなどの顧客との関係に影響を与える可能性があります。
- 💼 アームの設計はスマートフォンおよびAIデータセンター用チップ市場で重要な地位を占めています。
- 📊 アームの第3四半期の収入見通しが市場予想を下回り、株価が下落しました。