先日、北京智譜華章科技股份有限公司(以下、「智譜AI」と略称)は北京証券監督管理委員会に新規株式公開(IPO)の指導备案を提出しました。「大モデル六小虎」企業として、IPOに着手した最初の企業となりました。順調に進めば、智譜AIは中国A株市場で最初の「大モデル」上場企業となる見込みです。
智譜AIは2019年に設立され、清華大学コンピュータ学科の技術成果転化から生まれました。設立以来、同社は強力な技術力とチーム体制により、投資家の注目を集め、業界のトップランナーとなっています。智譜の実質的な支配人である唐杰氏と劉徳兵氏は、いずれも深い学術的背景を持ち、唐杰氏は清華大学の長聘教授、劉徳兵氏は同社の董事長を務め、企業戦略と資本運営に注力しています。

智譜AIの技術基盤には、GLMシリーズ、ChatGLM対話モデル、CodeGeeXコードモデル、CogVLMマルチモーダルモデルなど、様々なAIモデルが含まれています。最近、智譜が公開したオープンソースモデルGLM-4-32B-0414は、毎秒200トークンの推論速度と、同類製品の30分の1のコストで、大きな注目を集めています。事業面では、智譜AIは個人ユーザー向け市場に年間売上高1000万元超のChatbotアプリ「智譜清言」を提供するだけでなく、BtoB市場ではスマートカー、金融、医療など複数の業界をカバーしており、強力な市場潜在力を示しています。
智譜AIの戦略の中心はAIエージェント分野であり、AutoGLMやAutoGLM沉思などの関連製品を発表し、サムスンと協力してGalaxy S25シリーズのスマートアプリ開発を進めています。張鵬CEOは、2025年がAIエージェントアプリの元年になると述べ、智譜AIがこの波の中で重要な役割を果たすと考えています。
資金調達面では、智譜AIは10回以上の資金調達を完了しており、総額は100億元を超えています。投資家には、高瓴資本、啓明創投などの有名機関が含まれます。最近では、複数の地方国有企業からの戦略投資も獲得しており、市場における将来性への期待の高さが示されています。最新の評価額によると、智譜AIの2025年2月の時価総額は46.15億ドル(約300億元)に達しています。
今後の上場指導業務は、実態調査、集中是正、申告準備の3段階に分かれ、約半年を予定しています。順調に進めば、智譜AIは正式に上場への道を歩み始め、市場で期待される「大モデル」のパイオニアとなるでしょう。
