アメリカのチップメーカー、クアルコム(Qualcomm)は最近、ベトナム企業VinAIの生成AI部門MovianAIを買収したと発表しました。この買収は、クアルコムの人工知能(AI)分野における重要な戦略的展開であるだけでなく、ベトナムのテクノロジーエコシステムとのより緊密な協力関係の始まりも意味します。VinAIは、生成AI、機械学習、コンピュータービジョン、自然言語処理などの分野で卓越した研究開発(R&D)能力を有しており、クアルコムによるAIイノベーションの更なる推進を強力に後押しします。
クアルコムは、今回の買収により、VinAIの先進技術と自社の20年以上にわたる研究開発経験を融合し、数々の革新的な技術を生み出すことを目指しています。クアルコム上級副社長の侯吉磊(Jilei Hou)氏は、「今回の買収は、研究開発への継続的な投資を示すものであり、次世代AIイノベーションの原動力となることを目指しています。」と述べ、VinAIの高スキル人材の獲得により、様々な業界や消費者に恩恵をもたらす最先端のAIソリューションをより効果的に提供できると付け加えました。

VinAIの生成AIチームは、元Google DeepMindのメンバーであり、VinAIの創設者兼CEOである黄輝博士(Dr. Hung Bui)が率いています。このチームはAI分野で豊富な専門知識を持ち、最先端の研究を推進し、カスタマイズされたAIモデルを開発することができます。黄博士は、「私たちはクアルコムの使命に貢献し、基礎的なAI研究のブレークスルーを通じて、スマートフォン、パソコン、ソフトウェア定義自動車など、複数の業界におけるこの技術の応用を推進する準備ができています。」と述べています。
クアルコムとベトナムのテクノロジー業界のパートナーシップは20年以上続いています。5G、AI、IoT(モノのインターネット)、自動車分野におけるイノベーションを通じて、クアルコムはベトナムの情報通信技術(ICT)産業の急速な発展を促進し、地元企業の世界市場への進出を支援してきました。今回の買収により、クアルコムは世界的なAI技術分野における影響力をさらに加速させることは間違いありません。
