アマゾンは先日、人工知能企業Anthropicに追加で40億ドルの投資を発表しました。これにより、アマゾンのAnthropicへの総投資額は80億ドルに達します。今回の投資の重要な部分として、Anthropicは主にアマゾンのクラウドコンピューティングサービス(AWS)を利用して、主力となる生成AIモデルをトレーニングします。

今回の協業の大きな特徴は、両社がチップ分野で深く協力することです。Anthropicは、AWS傘下のチップ製造部門Annapurna Labsと共同で、次世代Trainiumアクセラレーターを開発します。Anthropicは、同社のエンジニアがAnnapurnaのチップ設計チームと緊密に協力し、ハードウェアの計算効率の向上に取り組むと述べています。これらの技術進歩は、同社の最先端の基本モデルのトレーニングに使用されます。

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画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

AWSは、Anthropicが最新のTrainium2を含むTrainiumシリーズチップを使用してモデルのトレーニングを行い、アマゾン独自のInferentiaチップを使用してモデルの展開とサービスを提供することを確認しました。AWS CEOのMatt Garman氏は、カスタムチップ開発におけるAnthropicとの協力を通じて、AWSは生成AI技術のイノベーションの限界を押し広げ続けると述べています。

注目すべきは、Anthropicが現在までにベンチャーキャピタルから累計137億ドルの資金を調達していることです。同社は、OpenAIの元研究副社長であるDario Amodei氏が2021年に共同設立し、AIの安全性に対する高い関心で知られています。現在、アマゾンのBedrockプラットフォームを通じて、数万人の顧客がAnthropicのClaudeシリーズモデルを使用しています。

この投資は、規制当局の注目も集めています。米国連邦取引委員会は以前、アマゾンを含むテクノロジー大手に対し、生成AI分野への投資が競争環境に与える影響について説明するよう求めていました。しかし、英国競争・市場庁はこの協業を承認しています。

事業展開において、Anthropicは最近、Claude3.5Sonnetモデルがコンピュータタスクを自律的に実行できる「Computer Use」機能を導入し、デスクトップクライアント、エンタープライズ版、チーム版などの多様な製品を投入することで積極的に収益源を拡大しています。また、ヨーロッパにオフィスを設立し、Instagramの共同創設者Mike Krieger氏など、業界の重鎮を多く迎え入れています。

今回の戦略的提携の深化は、テクノロジー大手間のAI分野における激しい競争と、ハードウェアインフラがAI開発に不可欠な役割を果たしていることを示しています。投資の増加に伴い、アマゾンとAnthropicの協業は、チップからソフトウェアまで複数のレベルでさらに深化し、次世代AI技術の研究開発とイノベーションを推進していきます。