元戎啓行は先日、国内大手自動車メーカー(長城汽車)からの単独投資による1億ドルのC1ラウンド戦略的資金調達を完了したと発表しました。今回の調達資金は、国内量産プロジェクトの強化、海外事業の拡大、そしてRobotaxiの商業化運営やVLAモデルなどの先端技術開発に充当されます。

元戎啓行CEOの周光氏は11月5日の説明会で、新エネルギー自動車の「電動化」の上半期はほぼ終了し、今後5年間は「自動運転」が主戦場になると述べました。周氏は、自動運転業界の競争は激しく、今後さらに厳しくなるとの見解を示しました。

自動運転、無人運転

元戎啓行は、AI技術を自動運転業界にいち早く導入した企業の一つです。量産車による実走行データから大量の脱感済みの現実世界データを収集し、人間の高度な知能を備えた「AIブレイン」を構築しています。「無図」やエンドツーエンドモデルなどの技術ソリューションを展開し、「物理世界の汎用人工知能(AGI)」の構築を目指し、革新的な技術で自動運転業界の変革をリードしています。

現在、元戎啓行は800名以上の従業員を擁し、その8割以上が研究開発人員です。これまでに6回の資金調達を行い、累計調達額は5億ドルを超えています。投資家には、阿里巴巴、復星銳正、雲啓資本、耀途資本などが含まれます。

今回の1億ドルの資金調達完了に伴い、元戎啓行は量産、VLAモデル、Robotaxiの3つの分野に重点的に取り組んでいきます。量産面では、高度な自動運転プラットフォームDeepRouteIOが既に車両に搭載され、量産プロジェクトは10件以上、自動車メーカーと共同開発した量産車は2万台を超えています。

VLAモデル面では、NVIDIA Thorチップを国内で最初に導入した企業の一つとして、同チップを用いたVLAモデル(Vision-Language-Action Model、視覚-言語-行動モデル)の開発を進めており、2025年の正式発表を目指しています。

Robotaxi面では、エンドツーエンドモデルを用いた量産車によるRobotaxiの大規模運用を実現する新たな商業化路線を探っています。従来のRobotaxiとは異なり、元戎啓行のRobotaxiは運用地域に制限がなく、時間コストと経済コストの面で優位性があり、Robotaxiの普及を加速させることに貢献します。