今日開催された世界人工知能大会のフォーラムで、アントグループの数科(アント・データ)は最新の金融推論大規模モデル「Agentar-Fin-R1」を発表しました。このモデルはアリババの通義千問 Qwen3大規模モデルを基盤としており、金融業界における専門性、推論能力およびセキュリティと規制遵守の能力に特化しています。これは、金融機関に「信頼性があり、コントロール可能で、最適化可能な」知能中枢を提供することを目的としています。

Agentar-Fin-R1は複数の権威ある評価基準において優れた性能を示しており、同サイズのオープンソース汎用大規模モデルであるDeepseek-R1を上回るだけでなく、FinEval1.0やFinanceIQなどの金融大規模モデル評価でも優れた成績を収めました。この成果は、アントグループが金融分野におけるAI応用に新たな高みに到達したことを示しています。

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さまざまな金融機関が多様なシナリオに応じたニーズに対応するため、Agentar-Fin-R1は32Bと8Bパラメータの2つのバージョンを提供しています。また、推論なしの14Bと72Bパラメータのモデルも用意されています。アントグループのCEOである趙聞飚氏は発表会で、「現在の汎用大規模モデルと産業実際の応用には『知識ギャップ』が存在している」と述べ、専門的な金融大規模モデルの構築は金融とAIの深く融合する必然的な道だと語りました。今後、金融大規模モデルの応用の深さが金融機関の競争力の鍵となるでしょう。

データ面では、アントグループは業界で最も網羅的な金融タスク分類体系を構築し、銀行、証券、保険、ファンド、信託など金融全領域をカバーする6つの大カテゴリ、66の小カテゴリを含んでいます。数千億規模の金融専門データコーパスと専門家が注釈をつけた金融長文思考プロセス(CoT)の構造メカニズムを活用して、Agentar-Fin-R1は「元々金融を理解している」能力を備えています。

現在、アントグループは上海にあるある銀行のために「AIスマホバンク」を開発し、ユーザーに自然な会話形式の金融サービスを提供しています。この「対話即サービス」のモデルは高齢顧客の満足度を向上させ、月間アクティブユーザー数は25%増加しました。

論文のURL:https://arxiv.org/pdf/2507.16802