最近、フランスの人工知能研究室Mistralは、チャットボットLe Chatに一連の新機能アップデートをリリースし、OpenAIやグーグルなどの業界大手と競争力を高めました。今回のアップデートの主な特徴には、「ディープリサーチ」モード、ネイティブな多言語推論、そして高度な画像編集機能が含まれており、ユーザーによりスマートなアシスタント体験を提供することを目的としています。

Mistralの「ディープリサーチ」モードは、総合的なリサーチアシスタントとして機能し、計画を立て、要件を明確にし、データを検索・統合することができます。Mistralの製品責任者であるElisa Salamanca氏は、この機能がインターネット上で広範囲に情報を検索し、ユーザーの具体的な質問に答えることができると言いました。この機能は、個人ユーザーにとって旅行計画に役立ち、企業ユーザーが深く調査を行う際にも非常に有用です。

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他のクラウドベースの人工知能プラットフォームとは異なり、Mistralは企業顧客の機密データ処理に特に注目しています。Salamanca氏は、多くの企業がデータをクラウドにアップロードすることを望んでいない、特に銀行、国防、政府などの業界において、その傾向があると述べました。そのため、Le Chatは企業の内部データに直接接続することができ、ユーザーはローカル環境でディープリサーチ能力を使ってデータ分析を行うことができ、情報セキュリティの心配をせずに済みます。

「ディープリサーチ」モードに加え、Le Chatには複数の新機能が追加され、多言語推論能力が向上しました。現在、フランス語、スペイン語、日本語など多くの言語での推論に対応しており、文の途中で言語を切り替えることもできます。また、Mistralは「プロジェクト」機能をリリースし、ユーザーがチャット履歴、ドキュメント、アイデアを集中した空間に整理して、プロジェクト管理を簡単にできるようにします。

さらに注目すべき点は、Le Chatが画像編集機能を改善したことで、ユーザーは簡単な指示、例えば「このオブジェクトを削除してください」や「私を別の都市に移してください」といったもので、画像の作成や編集が簡単にできることです。これらの新機能のリリースにより、MistralはAI分野での競争力が大幅に向上し、Le Chatは単なるモデルデモではなく、強力な包括的なアシスタントとなりました。