世界的なテクノロジー大手、イーロン・マスク氏が本日、自身のソーシャルメディアプラットフォームXを通じて重大発表を行い、人工知能スタートアップ企業xAIがXと合併したことを明らかにしました。この取引は全株式交換で行われ、xAIの評価額は800億ドルに急騰、Xの以前の評価額330億ドルをはるかに上回っています。
マスク氏はXに投稿し、「xAIとXの運命は密接に結びついています。今日、データ、モデル、計算能力、配信チャネル、そして人材を統合する重要な一歩を踏み出しました」と力強く述べました。そして、今回の戦略的合併は「xAIの先端AI技術とXの巨大なユーザーベースを融合することで、大きな可能性を解き放つ」ことを目的としていると強調しました。
xAIとXはどちらもマスク氏が保有しているため、今回の合併は事実上株式交換であり、Xの既存投資家はそれに応じた割合のxAI株式を取得します。注目すべきは、両社にはアンドリーセン・ホロウィッツ、セコイア・キャピタル、フィデリティ・インベストメンツ、Vy Capital、サウジアラビア王国政府系投資会社など、多くの著名な投資家が共通していることです。
テスラとSpaceXのCEOも務めるマスク氏は、2022年末に約440億ドルを投じて当時のツイッターを買収し、大胆なコスト削減を実施した後、Xに改名しました。Xプラットフォームの現CEO、リンダ・ヤカリーノ氏は合併発表後、「未来は無限の可能性に満ちている」と投稿しました。
実際、XとxAIの連携は以前から兆候が見られました。Xプラットフォームは、xAIが開発した注目を集めているインテリジェントチャットボットGrokを統合し、ユーザーが利用できるようにしています。さらに、xAIは2024年6月、テネシー州メンフィス市にGrokのトレーニング専用のスーパーコンピューター「コロッサス」を建設すると発表し、同年9月には一部の機器が稼働を開始しました。
注目すべきは、xAIの評価額が急速に上昇していることです。2024年の資金調達ラウンドでは約500億ドルと評価され、最近では750億ドルの評価額で新たな資金調達ラウンドを進めているとの情報もあります。対照的に、OpenAIは今年2月の資金調達時の評価額が2600億ドル、Anthropicは今月発表された最新の評価額が615億ドルでした。今回のxAIとXの合併は、間違いなくマスク氏の人工知能分野における競争力をさらに高め、そのAI帝国の拡大を加速させるでしょう。