東京ゲームショウで、ファルコムの近藤浩治社長は4Gamerのインタビューの中で、AIを活用してゲームのローカライズ期間を短縮する可能性について言及しました。特にAI翻訳への見解を示し、この技術が日本語ゲームの多言語化を迅速化できると考えていると述べました。
画像出典:AI生成画像、画像提供元Midjourney
この発言は、ELLAという多言語間のゲームテキストローカライズ支援ソフトウェアのデモの後に行われました。デモで紹介されたゲームは、ファルコムの『英雄伝説 黎の軌跡』です。
近藤社長は、AI翻訳によって効率が向上する一方、最終的な翻訳は正確性を確保するために人間のチェックと修正が必要だと指摘しました。また、AIの使用がゲーム開発において文化的な反発、特に失業問題への懸念を引き起こしていることにも言及し、その問題の深刻さを認識しています。
さらに、デザイナーやアーティストなど、ファルコムのローカライズ部門以外の人員からも、AIの使用に対する不満の声が上がっており、自身の作品が許可なくAI学習に使用されることを懸念しているとのことです。
これらの懸念があるものの、AIがローカライズに恩恵をもたらすと確信しており、将来的な解決策を見出したいと考えていると述べました。ファルコムのローカライズ期間は比較的長く、例えば近日アメリカで発売される『イースX -ノルドクス-』は、日本での発売から1年が経過しています。
2018年には、ファルコムの別のゲーム『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』で翻訳問題が大きな論争を呼び、翻訳を担当したNISA社が正式に謝罪し、翻訳のやり直しを行う事態となりました。そのため、効率と品質のバランスを取ることが非常に重要になります。
要点:
🌍 ファルコムの近藤浩治社長が東京ゲームショウで、AIによるゲームローカライズの高速化構想を発表。
📝 AI翻訳による効率向上を期待しつつも、最終的な翻訳は正確性を確保するための人間によるチェックが必要と強調。
🤖 AIに対する抵抗や懸念があるものの、それらを克服し、AIの利点を活用したいという意向を示す。